今回は、中高年の方々NISAに励むことのデメリットについて解説します。このチャンネルをご覧の方々の中にも、新しいNISAで資産運用に取り組もうとされる方、早めに老後資金を準備しておかないと不安だと考えておられう方が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、50代から60代の視聴者や、「自分はまだ若い、先は長い」と思う40代の視聴者の方々に、NISAに投資するデメリット、本当に正しいお金の考え方について、公認会計士がわかりやすく解説いたします。ぜひ最後までご視聴ください。


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中高年は注意!NISAのデメリット


岸田先生、65歳になる私は、先日、長年勤めた会社を退職しました。老後資金が心配なので、退職金で投資信託を買って資産運用しようかと思います。年間360万円はNISAでインデックス・ファンドを購入し、残りはファンドラップで運用しようと考えているのですが、よろしいでしょうか。



初年度に360万円をNISA口座で、インデックス・ファンドを買うことは正解です。しかし、ファンドラップは止めたほうがいいです。個人向け国債を買ったほうがいいでしょうね。



ファンドラップで大きくお金を増やしたいのです。国債ではお金は増えませんよね。





お金を増やそうと考えるならば、金融資産のリターンに頼るべきではありません。老後生活の基本として考えるべきことは、資産運用で増やすことではなく働くことですよ。それで収入を増やすことできますし、生活を豊かにすることができます。



しかし、私は早く仕事をやめてのんびりしたいのです。



長年会社勤めでお疲れですね。できることならなるべく早く仕事から離れたいと思うのことは理解できます。しかし、会社員時代の仕事と会社を退職した後の仕事いうのは、まったく違うものですよ。誰にも命令されず自由に好きな仕事ができますから、楽しく働くことができます。仕事することが生きがいになって、幸せな毎日が待っていますよ。



仕事が楽しくなる、幸せな毎日になるって本当ですか?





一般的に「老後の三大不安」と言われるものがあります。それは「健康」「お金」そして「孤独」です。このうち「健康」については説明するまでもありませんよね。



そうですね、人間にとって一番大事なものが健康ですから。



「お金」は、老後の生活費に必要です。会社員や公務員であった人ならば、毎月15万円から20万円の厚生年金を終身で受けとることができるので、最低限の日常生活に行き詰まることはないでしょう。



それでも、お金があったら、妻と海外旅行したり、孫に教育資金を出してやったりしたいです。



そして3番目の不安として「孤独」があります。実はこれが一番厄介なのです。健康やお金は誰もが意識していることですが、多くの人は現役時代に、会社を辞めた後にどれだけ大きな孤独感が襲いかかってくるか、イメージできないんですよ。



妻と2人だけで生活するのも、ちょっと寂しいですね。孤独を感じてしまうかもしれません。孤独にならないようにするには、どうすればよいでしょうか?





それは、「働くこと」ですよ。例えば「健康」について言えば、ハードでストレスのたまる働き方さえしなければ、知力と体力を維持できるメリットがあります。「お金」については、報酬を得ることである程度解消できます。そして「孤独」について言えば、仕事することで人とのつながりを続けることができます。



仕事もいいですが、できれば旅行や趣味など遊ぶ時間もほしいです。



遊ぶためにもお金が必要ですよね。「遊ぶお金を稼ぐために働く」と考えてはどうでしょうか。普通に生活していくための日常生活費だけならば、公的年金でカバーできるでしょう。しかし、海外旅行したり、毎週おいしいものを食べに出かけたり、自分が好きな自動車を買い替えたりということであれば公的年金だけでは難しいと思います。そういう贅沢や遊びのために働くのが定年後の働き方としてはベストでしょうね。



65歳過ぎてから働いて、どれくらい稼ぐことができるでしょうか。





定年後の仕事なので、それほど大きな収入は得られないかもしれないません。それでも生活のために働くのではなく、健康のため、孤独感の解消のため、遊ぶために働くのだから、収入は少なくてもよいのではないでしょうか。例えば、アルバイトで月10万円、年収120万円ぐらい稼ぐことは十分可能ですよ。奥様と2人で働くことができ月に20万円、年収240万円ぐらいは稼ぐことができますよ。



なるほど、年間120万円だとすれば、70歳まで5年間働いて600万円くらい稼ぐことはできそうですね。10年働くと1000万円超えそうですね。これだけ稼げるのであれば、十分に遊ぶために働くことはできそうです。



実は、もっとお金は増えるんですよ。公的年金の繰下げ受給の制度はご存知ですか?年金が増えるんですよ。



年金が増えるんですか?



そうなんです。長く働くことの最大のメリットは、働いて稼ぐ収入ではなく、年金の増額なんですよ。公的年金の支給開始年齢は65歳ですが、それを自主的に遅らせることができるんです。



年金はどれくらい増えるのでしょうか。





65歳よりも遅く受け取り始めると、1カ月ごとに0.7%増えるのです。仮に70歳から受け取り始めると、増額幅は42%となって、それが一生涯続きます。



毎月の年金が4割も増えるのですか、それはいいですね。



もちろん、年金の受給開始を遅らせるのであれば、そこまでの生活費が必要になります。そのための方法が70歳まで働くということですね。そうは言っても、働けなってしまうリスクや医療や介護という不確定な出費を想定して、iDeCoやNISAで金融資産を準備しておくといいでしょう。



わかりました!仕事を見つけます!
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