今回は、やりがいを感じられない大企業サラリーマンについて解説します。このチャンネルをご覧の方々の中にも、大企業に長く勤めていて、仕事にやりがいを感じることができず、中高年になってからベンチャー企業への転職を考える方が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、大企業でなぜやりがいを感じられないのか、大企業がなぜ働きにくいのか、その理由と、50代になって転職すべきかどうかどうかについて、公認会計士がわかりやすく解説いたします。ぜひ最後までご視聴ください。


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【50代の転職】大企業の働きづらさとミドル世代の転職を考える

岸田先生、私はメガバンクに就職して20年、そろそろ50歳になります。大企業では、どうも働きづらいと感じていて、転職を考えています。
大企業はなぜこんなに窮屈なのでしょうか。





なるほど、転職を考えているんですね。大企業で働くことにはメリットもあればデメリットもあります。働きづらいとは言うものの、大企業のメリットは多いはずです。給与水準が高いですし、福利厚生が充実しています。社会的信用が高いですから、住宅ローンも借りやすいでしょう。会社が安定していると失業する心配がありません。仕事よりも家庭を優先する方には最適な環境でしょう。



私はもっとやりがいがある仕事に挑戦してみたいのです。



やりがいが無いというのは、デメリットの一つですよね。おそらくその原因は、リーダーである経営者が何を考えているのかわからないからでしょう。大企業というのは、大きな会社です。大きな会社には人が多く働いているので、社長をはじめとする経営者と末端のサラリーマン社員との距離が、どうしても遠くなります。また、その間にたくさんの中間管理職がはさまっていて、お互いの顔が分からなくなり、タテマエだけがひたすらに増えて、リーダーである経営者が、本音のところで何を考えているのか、ちっとも見えなくなってきます。社長のためにがんばって働いて成果を出しても、社長がそれを認めてくれることはありません。だからやりがいも感じられないのでしょうね。



そうなんです。私が会社に対してどれだけ貢献できているのか実感できませんし、会社から何を求められているのか、全然ピンときません。
だから、やりがいが感じられないのです 。





個人の存在感が小さいからですね。社長はサラリーマン社員一人ひとりの顔など見たことありませんし、その存在を気にかけるヒマはありません。結局サラリーマン社員は、コマとして、パーツとして、歯車として、それなりに機能することを求められるだけです。その結果、配属はいわゆる「配属ガチャ」状態となるわけですね。昇給や昇格も運の要素が大きくて、上司との相性が悪いと地獄という環境になります。



そうなんです。どんなに活躍することができても、結局は使い捨ての兵隊に過ぎないんですね。



成果が報いられにくいことも問題でしょうね。大企業の給与体系は業績に連動するものではなく、安定的なものです。頑張って成果を上げても、なかなか報われません。逆に頑張らなくて成果がでなくても困らないでしょう。結果として当事者意識が薄れてしまい、「働かないおじさん」問題が起きるわけですね。



そうですよね。仕事をやってもやらなくても、あまり変わらないから、なかなか本気になれません。





あと、ダメなビジネスがダメなまま生き残るという問題があります。大企業は組織の規模が大きいので、方向転換に時間がかかります。また、同じ仕事を続けるほうがラクなので、変化が大嫌いだという人も大勢います。それでも大企業は体力があるので、ダメなビジネスをダメなままに残しておくわけです。結果として、AI活用やデジタル化が進む時代に合わないビジネスを続けるわけですね。現場では、ムダな会議、申請書にハンコを集めるスタンプラリー、必要性の分からないルール、働かないおじさん、いろいろな「ダメなモノ」が、ダメなままで生き残りやすくなります。



ダメと分かっていながら変えられないことが多いと、やる気が出ません。私はもうすぐ50歳になります。やる気を出して働くことができる環境を求めて中小企業への転職を検討しています。中小企業はどうなんでしょうか。





中小企業が良いかというと、そうでもないですね。なぜなら、中小企業は、当たり外れが大きいからです。中小企業の環境は、「社長がどんな人か?」によって、かなり差がつきます。従業員のことを尊重する社長がいれば、とても働きやすい職場となります。しかし、従業員のことを考えないワンマンな社長がいれば、パワハラ、ブラック労働地獄みたいな職場となります。



中小企業に転職しようとしても、社長の資質を見極められないと、危ないってことですね。それでは、フリーランスとして働くのはどうでしょうか。私は中小企業診断士の資格を取ったので、独立開業できるかもしれません。





フリーランス、自営業者として働くのなら、経営者は自分自身となりますから、まさに自分の本音で働くことができます。自分のやりたい仕事を選ぶこともできます。成果はまるごと自分のモノです。ダメだと思ったビジネスは今すぐ止めても構いません。上司から命令されて、無駄な会議に参加する必要はありません。しかし、フリーランスにはフリーランスの問題があります。仕事を選べる立場になれば、自由に楽しく仕事ができて、働きやすさが最大になりますが、仕事が無くなってしまえば、やりがいとか言ってる場合じゃない、報酬を下げても働かなくてはいけない、マジで食べていけない、みたいな深刻な事態も考えられます。



大企業も中小企業もフリーランスも一長一短ですね。
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