確定申告やマイナンバーについて、政府からの広報がたくさんありますが、申請しないともらえない補助金や助成金の情報はあまり知られていません。
そこで今回は、知れば得する制度をまとめて紹介いたします。
このチャンネルをご覧の方々の中にも、所得税の節税方法を探していたり、タダでもらえる補助金や助成金を探していたりする方が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、住宅リフォームに関する補助金、高年齢求職者給付金、高額療養費制度、埋葬料、子育てファミリー世帯居住支援制度、確定申告における所得控除について、公認会計士がわかりやすく解説いたします。ぜひ最後までご視聴ください。
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税金が戻ってくる制度について

税金が戻ってくる制度についてお話しようか。



税金は払うものだと思っていましたが、戻ってくる制度もあるんですか?



そうだ。税金が戻ってくる制度も実は多いのだ。特に最近、空き家の取り扱いに関する制度が目まぐるしく変わっているんだ。
現在、国内の空き家率は13.5%で、10軒中1軒以上が空き家になっているそうだ。さらに、年間で約6万4千戸もの新たな空き家が発生しており、20年後には日本の空き家率は40%に達すると予測されているんだよ。



空き家の増加は社会問題ですよね。それに税金の仕組みも関係しているのですか?



そうなんだ。実は空き家でも建物が建っていれば、固定資産税が6分の1に減免されるため、所有者にとっては経済的にメリットがあるんだ。
しかし、2015年から制度が変更されたんだね。
新しい制度では、管理が悪いなどの理由で自治体が空き家と認定すると、減免措置が受けられなくなるんだ。さらに、特定の条件を満たさない場合には、固定資産税が一気に6倍になる可能性もあるんだよ。



なるほど、それではどうすればいいんですか?





実は2015年に国土交通省が新しい公助制度を打ち出しているんだ。
具体的には、相続した1981年以前に建築された住宅に対して耐震改修や解体除却を行った場合、費用の10%が所得税から控除されるんだ。
最大250万円となっているから、その10%で25万円の税金が戻ってくるんだね。つまり、空き家になりそうな住宅を改修または処分した場合には、所得税から一部の費用が戻ってくる仕組みなんだよ。税制改正が成立すれば、今年中にも実際の控除が始まる見込みだ。
金額の大きな住宅に関する制度



住宅に関する制度は他にもあるんですか?



そうだな。特に住宅に関連する制度では、リフォームやエコ関連の設備に対する助成金制度があるんだ。例えば、省エネやバリアフリー基準を満たすリフォーム工事を行うと、工事費の10%が所得税から控除されるんだ。



それはいいですね。古くなった家屋をリフォームすると長く住めるようになります。





また、介護保険からも介護を目的としたリフォームへの支給があるんだ。手すりの設置や床段差の解消、床材変更や和式便器の交換などの費用は、最大で20万円まで、費用の9割が支給されるんだ。



それ以外にも他の助成金制度はあるんですか?



そうだな。自治体によっては生ごみ処理機や太陽光発電に対応した家庭用蓄電池の設置費用など、エコに関わる設備への助成金制度があるね。また、庭木や生垣の植樹に対して最大で20万円程度の助成金が出る場合もある。東京都の品川区のようにマンションやビルの多い地域では、ベランダに置くプランターも対象となるんだよ。ただし、助成金を受けるためには、市区町村に自分で申請する必要があるけどね。



なるほど、知らないと損しそうな制度がたくさんありますね。



そうだ。まだまだお得な制度はたくさんあるんだ。例えば、こどもみらい住宅支援事業という制度だね。この制度は、リフォームの条件を満たす場合に、1戸あたり最大45万円の補助金を受け取れるんだ。
ただし、補助金を受けるためには、この事業に登録している工事業者を選ばなければならないから、業者選びの段階で確認することが必要となるよ。
高年齢求職者給付金



私の父が65歳になりました。高齢者が仕事を見つけるためにお金がもらえる制度もあるんですか?



そうだ。長い老後を生き抜くためにも、働き続けることは重要な選択肢の一つだ。そのための制度もいくつかあるんだが、重要なのはどこに相談するかだ。例えば、65歳以上で再就職を希望する場合には、ハローワークに相談すると高年齢求職者給付金を受け取ることができるんだ。求職活動を始める時点で1日最大6850円、50日分の一括支給があり、ハローワークから紹介された仕事以外でも返金は不要なんだ。
パートやアルバイトでも利用できるし、雇用保険からのお金を受け取るものなので、もらわないと損するぞ。
高額療養費制度



先生、医療費補助制度について教えてください。特に高額療養費制度について知りたいです。





高額療養費制度を使えば、70歳から74歳の方なら月4万、所得の多い方でも月8万円少々の自己負担で済むことになるんだ。後でお金が返ってくる仕組みだね。国民健康保険や健康保険組合で「限度額適用認定証」をもらっておけば、病院で自己負担限度額まで支払えばいいので、大きな医療費の心配もなくなるね。
高額医療・高額介護合算療養費制度



家族の医療費や介護費用も合算される制度があると聞きましたが、どのようなものなんでしょうか?





それは、高額医療・高額介護合算療養費制度だね。家族の中で高額の医療費がかかった人や介護費用がかかった人がいる場合、その合算した医療費に対して限度額を超えた分が還付されるんだ。
具体的な申請は市区町村の介護保険窓口で行うことになっているね。
例えば、70歳から74歳の人が国民健康保険と介護保険を利用している場合、年間56万円以上かかった分が払い戻されるんだよ。限度額は収入や年齢によって異なるけどね。



それに加えて、所得税の控除もあるということですか?



よく知っているね。医療費が年間10万円を超えた場合には、確定申告をすることで所得税の控除を受けることができるんだ。医療保険などで補われた分を除いた金額から10万円を引いた金額が所得控除されることになるね。入院費だけでなく、通院時の交通費や購入した市販薬の代金、松葉杖や入れ歯の購入費なども含まれるんだ。このような制度を利用すれば、医療費の負担を軽減できるんだよ。
埋葬料



埋葬費用や子供の養育にかかるお金がもらえる制度について教えてください。





:国民健康保険や健康保険組合の被保険者が亡くなった場合、葬儀を行った家族が申請することで「埋葬料」として5万円が支給されるんだ。
また、被保険者の家族が亡くなった場合にも「家族埋葬料」として5万円が支給されるんだよ。さらに、親戚や知人が葬儀を行った場合には、最大5万円まで「埋葬費」として支払われるんだ。
子育てファミリー世帯住居支援制度



それは助かる制度ですね。でも、子供の養育に関してもお金をもらえる制度があるそうですね。



それは子育てファミリー世帯居住支援制度だね。子供のいる世帯が市区町村に転入して、民間の賃貸住宅に入居する際に、引っ越し費用や家賃の一部が補助される制度なんだ。たとえば、東京新宿区では、引っ越し費用最大20万円までが補助されるほか、以前に住んでいた賃貸住宅の家賃よりも新居の家賃が高い場合、その差額分が最大2万5千円まで補助されるんだよ。



知らなかったです。子育てファミリー世帯居住支援は便利な制度ですね。他にもお得な裏技や方法はあるんでしょうか?
確定申告における所得控除





あと、所得税や住民税に扶養控除という制度があるのは知っているよね。成人した子供でも、低収入や無収入の場合は再び親の扶養家族に入れることで、所得税や住民税の減税を受けることができるんだ。
親族で収入の少ない人を扶養家族に入れることもできるので、税負担を軽減させることができるね。
あと、確定拠出年金の活用もおすすめだね。これは、自分で運用方法を指示するタイプの年金で、掛け金が所得控除の対象となるんだ。運用リスクはあるけれど、所得税の負担が軽しながら老後資金を貯めることができるから、必ずやったほうがいいよ。



節税に役立つような確定申告の注意点はありますか。



そうだね、確定申告も大切だね。例えば、セルフメディケーション税制では市販薬の一部が控除されるし、株式の取引などでも確定申告をすることで税金が戻ってくる場合もある。知識を持って行動することで、賢く暮らしていくことができるよ。



なるほど、確定申告や制度の活用は重要ですね。これからはしっかりと知識を身につけて、お得に生活していきたいと思います。ありがとうございました。
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