FIREって知ってますか?FIREとは、Financial Independence, Retire Earlyの頭文字を取ったもので、「経済的自立」と「早期リタイア」を意味する言葉です。FIREを達成するということは、資産運用から得られる資産所得だけで生活できるようになり、働く必要がない状態になることを意味します。
今回は、書籍紹介として、いま大人気の「年収300万円FIRE」を紹介します。このチャンネルをご覧の方々の中にも、最近、リベ大とか、お金の勉強のYoutubeチャンネルが流行っているけれど、ライオン兄さんってどうなの?と気になっている人が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ライオン兄さんの「年収300万円FIRE」には何が書かれているのか、わかりやすく解説いたします。
ぜひ最後までご視聴ください。


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投資が必要とされる理由

現在の日本で生活する私たちには、投資が必要です。その理由は、3つあります。
1つは、会社員の給与が下がっており、今後も上昇が期待できないからです。厚生労働白書によれば、1989年の会社員の平均年収は約450万円でしたが、2018年には約430万円と、20万円も下がっています。経済成長を続ける外国と比べると、日本だけが給与水準が下がっていると言われています。
また、日本銀行のゼロ金利政策が続くからです。銀行の定期預金の金利は、0.002%など、ほとんど利息が付きません。
100万円を定期預金で運用しても、それが2倍になるのは、なんと3万6000年後です。
そして、インフレで物価が上がることによって、資産価値が下がるからです。日本は、長年デフレが続いてきましたが、直近では、円安と資源価格上昇から、インフレ傾向になってきています。そのような状況では、現金や預金などの価値が下がる一方です。そこで、株式や不動産などといった、インフレになっても価値が下がらない資産を持つことが必要です。

野村総合研究所の調査によれば、純金融資産保有額が1億円以上〜5億円未満の世帯数は、2005年の81万世帯から、2019年の124万世帯に増加しています。これは全世帯の2%にあたります。つまり50世帯に1世帯は、1億円以上を持つ富裕層だということなのです。
しかも、他社のアンケート調査によれば、1億円以上の富裕層のうち、4人に1人は、年収500万円以下の会社員とされています。つまり、年収が500万円以下であっても、FIREを達成して「富裕層」になることが可能だということでしょう。

いま世界中で「お金持ち」と「そうでない人」の二極化が進んでいます。
2014年に世界的なベストセラーとなったトマ・ピケティの『21世紀の資本』によれば、「長期的にみると、資本収益率は経済成長率よりも大きい」という事実が明らかにされています。これは、「資産所得の上昇率は、労働賃金の上昇率を上回る」ということ、つまり、お金持ちはより裕福となり、労働でしかお金を得られない人は、いつになっても裕福になることはできないということが現実なのです。
年収が低くてもFIREできる理由

年収が高くないとFIREを達成することができないと思っている人も多いかもしれません。しかし、年収がどれだけ高くても、貯蓄率が低ければ、FIREを達成することができません。逆に、年収が低くても、貯蓄率が高ければ、FIREを達成することができます。FIREを達成するために重要なのは、貯蓄率を高めることです。

FIREには4つのタイプがあります。
- 資産所得のみで生活できるFat FIRE (ファット・ファイア)
- 資産所得があるが生活費の節約が必要なLean FIRE (リーン・ファイア)
- 資産所得があるが趣味で仕事をするCoast FIRE (コースト・ファイア)
- 資産所得と労働収入を併用して生活するサイド FIRE
サイド FIREは、例えば、週5日ではなく週3日勤務にする、8時間労働を3時間労働にするなど、FIREです。
これが現実的な状況でしょう。

FIREを達成したとしても、資産の取り崩しに注意する必要があります。取り崩す金額が大きすぎると、資産が底をついてしまうからです。この点、FIREには「4%ルール」があります。

これは、「運用する金融資産の中から毎年4%だけ取り崩して、その範囲内で生活する限り、資産を減らすことなく、ずっと不労所得だけで人生を過ごせる」というものです。
ここでライオン兄さんは、年間支出の25倍の金額を目標として、4%の利回りが期待できる米国株インデックスで資産運用し、FIRE達成した後は、年間4%ずつ売却して、その範囲内で生活することを提案しています。

例えば、FIRE達成するときに3000万円の金融資産があれば、年間120万円、1ヶ月あたり10万円を生活費とすることができます。6000万円あれば、1ヶ月あたり20万円の生活費です。
つまり、利回り4%の逆数である25という数字を使って、「生活費の25年分」の金額が、FIREを達成するための目標となります。つまり、生活費の25年分の金融資産があれば、毎年4%の運用利回りを維持することで、資産を減らすことなく人生を過ごせるのです。生活費がもっと少ないとすれば、もっと少ない金額と低い運用利回りでもFIREを達成することは可能でしょう。
年収300万円の人が、7年でサイドFIREするためには、次のような手順で進めていくことになるでしょう。

年収300万円の人が、7年でサイドFIREするためには、次のような手順で進めていくことになるでしょう。
年収300万円の人の手取り額は約234万円、月額では19万5,500円くらいになります。この19万5,500円を上手に生活費と投資に配分することが重要です。
たとえば、毎月5万円を投資に充て、残りの14万5500円を生活費に充てるものとしましょう。FIREに必要な金額は、「年間の生活費の25倍でしたから、「14万5500円×12か月×25倍=4365万円」となります。一方、毎月5万円の投資を利回り5%で運用すると、4365万円まで増やすには、30年9か月もかかります。これでは遅すぎるでしょう。

そこで、毎月10万円を投資に充て、残りの9万5500円を生活費に充てることを考えましょう。この場合、FIREに必要な金額は、「9万5500円×12か月×25倍=2865万円」となります。
一方、毎月10万円の投資を利回り5%で運用すると、2865万円まで増やすのに16年目でよいということになります。

そして、サイドFIREを選び、生活費の半分を資産所得、残り半分を労働収入でまかなうとすれば、FIREに必要な金額は半分になります。
FIREを目標とすることにと決めたら、最初の2年間は、投資に回すお金をできるかぎり大きくすることがお勧めだとされています。毎月のお給料の手取り額が20万円だとすると、手取り額からの10万円に加えて、副業で稼いだ10万円を加えて、毎月合計20万円を米国株インデックスファンドの投資に充てるのです。
生活費を切り詰めろ

FIREを達成できるかどうかは、その人のマインド次第です。FIREを早期に達成するためには、運用元本になるお金を用意するため、収入を増やし、支出を抑える努力が必要です。副業を始めて収入が増えたとしても、決して固定費を上げてはいけません。一度上がった生活レベルを引き下げるのは容易ではないからです。
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