【相続】相続した不動産売却に必要な登記簿謄本の読み方や取得方法を徹底解説
相続した不動産を売却したいと思ったとき、必要となるのが登記簿謄本、すなわち、登記事項証明書です。今回は、登記事項証明書の読み方、相続登記における登記事項証明書の使い方を解説いたします。
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不動産の登記簿謄本(登記事項証明書)とは
先生、先日、母が他界したのですが、私が母から札幌にある実家を相続したんです。しかし、私は都内に自宅を持っていますから、今後、札幌の実家に住む予定はありません。一軒家を売却したいと思ったら、どうすればいいのでしょうか?
ご実家の土地と建物の登記事項証明書は持っていますか?
おそらく家族の誰かが持っているはずですが、登記事項証明書って何でしょうか?
登記事項証明書は、登記簿謄本のことですよ。厳密には、法務局で備える登記簿を謄写した証明書のことを登記簿謄本と言うべきだけれど、現在は法務局の登記簿もデータ化されているので、もはや謄写することはなくて、登記簿のデータ内容を証明する登記事項証明書が発行されているということだね。
法務局へ行けばいいよ。どこの法務局に行っても、全国どこの不動産の登記事項証明書を取得することが可能だよ。土地であれば地番、建物であれば家屋番号を指定して、取得するんだね。
登記簿謄本の「地番」と「住居表示(住所)」は異なる
「地番」とは、土地一筆ごとに割り振られている固有の番号のことで、法務局が定めた住所のことを意味するんだ。これに対して、「住居表示」とは、市町村が定めた住所のことを意味するんだ。郵便物を送る宛先には住居表示が使われているから、一般的に「住所」と呼ぶものは、この住居表示のことを意味しているんだよ。地番と住居表示は全く違う別の番号なんだ。
それは知らなかったです。私は実家の住居表示は、住所として当然にしっていますが、地番なんて見たことはありません。地番はどうやって調べるのですか?
地番を調べるには、法務局にも置いてあるブルーマップで、住居表示かから地番を検索することが可能なんだ。ブルーマップとは、住宅地図に地番情報を重ね合わせたものだね。内容が青色で印刷されているため、ブルーマップと呼ばれているんだ。
登記事項証明書を取得する方法
なるほど、地番がわかれば登記事項証明書を取得することができるんですね。
そうだね。郵送やオンライン申請でも登記事項証明書は取得することができるよ。
それは便利ですね。郵送やオンラインの場合、どのように申請すればよいのでしょうか?
郵送で申請する場合は、手数料相当の収入印紙と登記事項証明書請求書、切手を貼り付けた返信用封筒を法務局に送るんだ。オンラインの場合は、「登記・供託オンラインステム」のWebサイトで申請すればいい。とても簡単だよ。
もしかして、登記事項証明書がいま手元にあるかもしれません。えーっと、もしかして、これが登記事項証明書でしょうか?
そうそう、これが登記事項証明書だね。土地と建物の両方あるようだね。
なるほど、これが登記事項証明書なんですね。見たところ、何が書かれているのかさっぱり理解できません。詳しく教えていただけないでしょうか。
登記簿謄本(登記事項証明書)の記載内容、表題部と権利部とは?
わかりました。不動産の登記簿謄本は、その土地や建物がどのようなものか、誰が所有しているのか、記録がまとめられた台帳のことです。
確かに、所有者として母の名前が記載されていますね。一番上に表題部というものがあり、その下に権利部というものがあります。
そうだね。登記事項証明書は、表題部と権利部とに分かれるんだ。権利部は、さらに甲区と乙区に分かれていて、全体で3つの部分で構成されているんだよ。
表題部に書いてあるのは、不動産の表示に関すること、つまり、その土地や建物の所在地・地番・面積・建物の名称などですね。
その下の権利部というのは何が書いてあるのでしょうか?甲区と乙区になっていますね。甲とか乙とか、変な表現ですね。
権利部には不動産の権利に関することが書かれていて、甲区には所有者の住所や氏名など、乙区には所有権以外の権利を持つ人の名称や住所が書かれているんだ。
そうすると、今回の相続で、所有者が母から私に変更することになるというわけですね?どのように変更するのでしょうか?
登記事項証明書に記載されている所有者を変更する手続きは、一般的に、「名義変更手続き」と呼ばれていて、法務局で登記の申請しなければいけないんだ。
不動産をすぐに売却する場合でも相続登記を行う必要はあるのか?
相続登記が必要だということは理解できました。しかし、今回の相続では、私が取得した後、すぐに売ってしまうつもりです。それでも登記が必要なのでしょうか?
それでも、登記が必要です。相続登記を省略して、売却することはできません。相続人が不動産を売却するには、不動産の所有者であることを相手に主張するためには、所有者として登記されている必要があるからです。また、相続が発生すると、相続財産となっていた不動産は、被相続人から相続人に所有権が移っているのです。たとえ相続人が住む予定がなく売却したとしても、被相続人から、相続人を飛ばして、買主へ所有権の移転を行うことができません。
相続した不動産を売却する場合、君の名前が登記事項証明書に記載されていないといけないんだよ。
そうなんですね。不動産は難しいですね。今日はありがとうございました。
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