【相続】生命保険を保険会社に請求する手続きや注意点を解説
亡くなった方の生命保険の請求手続きについて、疑問に思うことやわからないことがあると思います。今回は、生命保険の手続きについて、わかりやすく解説していきます。
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相続時に生命保険(死亡保険金)の請求するための必要書類は何か?
先日、母が他界したのですが、私を受取人とした生命保険に加入していたようで、死亡保険金がもらえるようなんです。死亡保険金を生命保険会社へ請求する手続きについて教えていただけませんか?
確かに生命保険の受け取りなんて、何度も経験することではないので、わからないだろうね。
そうなんです。請求する時間が取れないので、私の妹に手続きをやってもらってもいいですか。家族だったら誰でも請求できますよね?
いえ、基本的には、受取人に指定されている方が、請求手続きを行わなければいけません。ただし、亡くなった方が契約者ではない場合については、受取人だけでなく、契約者が請求することも認められていますね。
相続時の生命保険(死亡保険金)の請求期限はいつまでか?
期限は、請求権が時効で消滅するまでということになるかな。生命保険を請求する権利は3年間で消滅してしまうよ。
相続時に生命保険(死亡保険金)の請求するための必要書類は何か?
提出する必要書類は、被保険者に関する書類として、保険証書、戸籍謄本または住民票の除票、死亡診断書が必要になるね。受取人に関する書類として、本人確認書類、戸籍謄本と印鑑証明書だね。生命保険会社への支払請求書も書くことになるだろうね。必要書類は生命保険会社によって違いがあるので、請求手続きを行うときに電話で問い合わせをしたほうがいいよ。
生命保険金(死亡保険金)は相続財産なのか?非課税枠はいくらか?
生命保険の死亡保険金って、けっこう大きい金額になりますよね。それには相続税がかかるんですか?
亡くなった方が保険料を支払っていた場合、死亡保険金は相続財産ではないけれども、相続財産とみなされて相続税がかかるんだよ。
えー!!相続財産でもないのに、相続税はかかるんですか?
そうだよ。ただし、法定相続人の数かける500万円の非課税枠があるから、その枠内だと相続税は発生しないよ。君のお母様に法定相続人は何人いるのかな?
そうであれば、500万円かける3人となって、1千5百万円までは相続税はかからないよ。
なるほど、相続人の数が多いほど非課税枠は増えるので有利ということですね。
そうですね。生命保険は、残されたご家族の生活を支えるためのものなので、一定額までは非課税にしているんですよ。
相続放棄したときでも死亡保険金を受け取ることはできるか?
しかし、相続放棄してしまった場合には、死亡保険金を受け取ることはできませんよね?
いえ、それが相続放棄していても、受取人に指定されていたのであれば、死亡保険金を受け取ることができるんだよ。ただし、相続放棄すると、もはや相続人という立場には無いから、非課税枠は使えない。全額に相続税がかかることになるよ。非課税枠というのは、相続人しか使えないものだからね。
死亡保険金は遺産分割協議の対象となるか?
あと、想定されるのは、受取人として指定された人が、被保険者よりも先に亡くなっていた場合です。その場合、受取人の変更手続きを行わずに被保険者も亡くなった場合、どうするのでしょうか?
受取人が遺言書で次の受取人を指定していなければ、先に亡くなった受取人の法定相続人が、死亡保険金の受取人になるね。法定相続人が複数いたならば、法定相続分ではなく、均等に分けて受け取ることになるね。
契約者が被相続人では無いときの相続手続きはどうなるか?
契約者と被保険者が母、受取人が私の生命保険の場合、私が死亡保険金を受け取ること、非課税枠を超える部分に相続税が課されることはわかりました。それでは、契約者と受取人が母親、被保険者が私の生命保険の場合はどうなるのでしょうか?
その場合、被保険者が死亡したわけではないので、死亡保険金は支給されないよね。そもそも、子どもが親より先に亡くなることを想定した生命保険契約に意味があるのかわからないけれど、ときどき契約しているケースがあるようだね。この場合は、保険契約の権利は、子どもに相続されるので、相続発生日の解約返戻金相当額が「生命保険契約に関する権利」として相続財産となるんだよ。そして、生命保険契約は、相続人全員が共有する財産となって、契約が継続することになるね。
生命保険契約の相続ですか?その場合、相続税はかかりますか?
解約返戻金相当額が相続財産となるということだから、当然に相続税がかかることになるね。ただし、死亡保険金のような非課税枠の適用はないよ。解約して返戻金を受け取った場合であっても非課税枠の適用は無いね。
相続人で契約を共有し続けることも可能なのでしょうか?
この場合、相続人の中の一人が、その契約の契約者となって継続するか、それができなければ、契約を解約しなければいけない。契約を継続する場合であれば、被保険者である君を契約者とし、受取人を君の子供に変更するのが一般的なやり方だね。
死亡保険金は遺産分割協議と関係があるのか?
ちょっと思ったんですけど、死亡保険金の受取人が、私たち3人兄弟のうち私1人だけとなると、妹や弟が不満を持つかもしれませんよね?
なるほど、受取人は君1人なんだね。その場合は確かに不公平だよね。それは、相続財産で調整するしかないと思うよ。遺産分割協議のときに、話し合ってみるべきだね。
わかりました。兄弟で喧嘩しないように、じっくりと話し合いたいと思います。
被相続人の生命保険契約を探す方法は?
ただ、気になるのは、なぜ私一人しか生命保険に加入していなかったのかということなんです。もしかしたら、他にも保険契約があったかもしれませんよね。調べることはできませんか?
亡くなった方が遺言書を書いていた場合はわかるけれども、遺言書がない場合は、相続人が自ら探し出す必要があるね。
方法としては、お母様の遺品の中に保険証書が隠されていないか探すこと、保険契約の手がかりが残されていないか調べていくことだね。
預金通帳に生命保険料の引き落としがあれば、保険契約があるということだ。確定申告書に生命保険料控除の記載があれば、そこも手がかりになるね。どうしても手がかりが見つからない場合は、相続人が生命保険会社に問い合わせることもできるよ。
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