年金支給者が亡くなった時の必要手続き〜未支給年金請求書と年金受給者死亡届の手続方法

先生

公的年金は、年6回に分けて偶数月に、2ヶ月分を後払いされます。そのため、相続発生日において、未支給の年金が残されていることになります。この年金は、もらうことができますので、相続人が請求することになります。今回は、年金受給者の死亡届の提出と、相続時に支給されなかった年金の請求方法について解説します。

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年金支給者が亡くなった時の必要手続き〜未支給年金請求書と年金受給者死亡届の手続方法 ▼目次00:28 年金受給者は何月に公的年金を受け取るのか?01:11 公的年金の受給権者が死亡したときの届出書は?02:02 受給権者死亡届の記載事項と添付書類は何か02:16 ...

年金受給者は何月に公的年金を受け取るのか?

生徒

先生、先日うちの母親が他界したのですが、年金に関する相続手続きについて教えていただけますか?

先生

公的年金は、年6回に分けて支払われるということは知っているよね。
支払月は、2月、4月、6月、8月、10月、12月だね。それぞれの支払い月には、その前月までの2か月分の年金が支払われるんだ。一般的には、支払い月の15日かな。例えば、4月15日に支払われる年金は、2月と3月の2か月分ということだね。

生徒

年金は後払いなんですね。

先生

年金をもらっていた人が亡くなったときは、年金を受け取る権利がなくなります。これが失権です。

公的年金の受給権者が死亡したときの届出書は?

生徒

そうすると、死亡届を年金事務所に提出する必要はありますか?

先生

そうだね、日本年金機構にマイナンバーが登録されていない場合、年金の支給が続けられる可能性があるから、「受給権者死亡届」を市区町村役場か、年金事務所へ提出して、年金の支給を止めなければいけないよ。「受給権者死亡届」の用紙はWEBサイトからダウンロードすることができるね。これに対して、日本年金機構にマイナンバーが登録されている場合、原則として、届け出する必要はないよ。

生徒

その受給権者死亡届は、いつまでに提出しなければいけませんか?

先生

国民年金の場合は、亡くなった日から14日以内に、お住まいの場所の市区町村役場へ提出するんだ。厚生年金の場合は、亡くなった日から10日以内にお住いの場所の年金事務所に提出しなければいけないよ。

受給権者死亡届の記載事項と添付書類は何か

生徒

受給権者死亡届と一緒に提出すべき必要書類は何かありますか?

先生

亡くなった方の年金証書、亡くなった事実のわかる書類として、住民票の除票、戸籍抄本、死亡診断書のうちいずれか一つだね。

相続時に未支給年金があった場合の請求手続き

生徒

亡くなった母親の年金はいつの分まで支給されるのでしょうか?

先生

年金は、亡くなった月の分まで支給されるよ。

生徒

そうすると、亡くなった月の1日から相続発生日までの日数を数えて、日割り計算するのでしょうか?

先生

いや、年金で日割り計算は行わないね。

生徒

年金の支給は、2ヶ月分が後払いで、その翌月に支給されるんですよね。もし、支給される月に相続が発生した場合、年金支給日の15日よりも前だと、その月の年金1ヶ月分も支給されるのではないですか?

先生

そうだね、いいところに気がついたね。奇数月に相続が発生すると計算は簡単だね。その月は年金支給が無いので、翌月に、亡くなった月とその前月の2ヶ月分だけ支給されることになるということだね。つまり、相続発生日における未支給年金は2ヶ月分、これは簡単だ。

生徒

なるほど、それは理解できます。

先生

しかし、偶数月が少しわかりづらいね。偶数月は15日に年金支給日があるから、15日よりも前に相続が発生したのか、15日よりも後に相続が発生したのかによって、取り扱いが変わってくるんだ。

生徒

確かに、15日より前に発生すると、まだ年金は支給されていませんので、2ヶ月が未支給となっていますね。その段階で相続が発生すると、その月の1ヶ月分の年金がもらえることになり、合計して3ヶ月分の未支給になるということですか?

先生

よくわかったね!その通りだ。偶数月の15日よりも前に相続が発生すると、3ヶ月分の未支給年金が発生するということなんだ。相続発生日が属する月の年金をどうするかが問題なんだね。

生徒

そうであれば、偶数月で15日よりも後に相続が発生した場合はどうでえしょうか?15日の支払日に、すでに前月と前々月の年金は支給されていますよね。

先生

そうだね。15日に、前月と前々月の年金は受け取っているから、それよりも後に相続が発生すると、その月1ヶ月分だけが未支給ということになって残るんだよ。

未支給年金は請求しないと支給されないのか?

生徒

なるほど。難しいですね。このような未支給年金は、次回の支払日まで待って入れば、自動的に支給されるのでしょうか?

先生

いや、そんな簡単な話ではないよ。相続が発生すると失権するから、亡くなった方の銀行口座には、年金は振り込まれないよ。

生徒

えっ!それではどうするのですか?

先生

未支給年金は、請求手続きが必要なんだ。待っていれば自動的に受け取れるものではないんだ。請求しなければもらえないよ。

生徒

未支給年金は誰でも請求できるんですか?

先生

未支給年金を受け取ることのできる相続人は、亡くなった方と一緒に暮らしていたご遺族に限られるんだ。たとえば、配偶者、お子様になるね。

受け取った未支給年金に相続税はかかるのか?

生徒

受け取った未支給年金に、相続税はかかりますか?

先生

未支給年金は相続財産ではないので、相続税はかからないよ。しかし、確定申告が必要な場合があるので、注意しなければいけないね。年金受給者は、公的年金が年間400万円以下で、その他の所得も20万円の場合であれば、確定申告は必要ないということは知っているよね。そうすると、未支給年金を受け取ることによって、年金が合計400万円を超えてしまった場合は、確定申告が必要となるわけだね。

未支給年金を請求するときの必要書類は何か

生徒

未支給年金を請求するときに必要な書類は何ですか?

先生

未支給年金・未支払給付金請求書」の提出が必要だね。WEBサイトからダウンロードできるよ。

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