【相続】不動産の相続登記についての必要書類や手続き方法を分かりやすく解説
不動産を相続するとき、所有権を移転させるために、不動産の登記の名義変更が必要となります。これを「相続登記」といいます。2024年4月から、相続登記が義務化されます。すなわち、相続人は、3年以内に相続登記をしなくてはいけません。今回は、相続登記について解説いたします。
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不動産の名義変更のための相続登記とは?
先生、先日他界した母の相続財産には、実家の不動産がありました。土地や建物です。これらの名義変更を行う必要があると思うのですが、どのように手続きを進めていけばよいでしょうか。教えていただけませんか。
そうだね。不動産の名義変更が必要となるね。法律用語では、名義変更のことを「所有権移転の登記」というんだ。お母様から相続人へ所有権を移転させるための相続登記だね。
不動産の相続登記の必要書類は何か?
相続登記にどのような必要書類を用意しなければいけませんか?
相続登記のための必要書類として、「不動産に関する書類」と「戸籍に関する書類」を集めなければいけない。不動産に関する書類は、「固定資産税評価証明書」、「名寄帳」、「登記簿謄本」の3つだね。
「固定資産税評価証明書」と「名寄帳」は、その不動産が東京23区にあれば都税事務所、それ以外にあれば、市町村役場の窓口で取得することができるよ。「固定資産税評価証明書」は、相続登記の申請を行う年度のものが必要となることに注意が必要だ。「登記簿謄本すなわち全部事項証明書」は、法務局で取得することができる。郵送でも取得することも可能だよ。
戸籍に関する書類はどのようなものがありますか?戸籍謄本や住民票ですよね?
遺言書があるか無いかによって必要書類が異なるんだ。また、不動産を取得される方が、法定相続人以外の場合にも、異なるので、注意が必要だね。
遺言書で不動産を相続する方が指定されていた場合、亡くなった事実が分かる戸籍謄本と住民票の除票、相続される方の戸籍謄本と住民票だね。
相続登記では、法定相続人を確定するために、被相続人の出生に遡って戸籍謄本を取得しなければならないと聞きました。死亡時の戸籍謄本だけでは足りないのではないですか。出生から死亡まですべて必要ですよね?
いや、遺言書がある場合は、法定相続人を確定する必要が無いから、死亡時の最後の本籍地の戸籍謄本だけでいいよ。
そして、遺言執行者が指定されている場合は、遺言執行者の実印と印鑑証明書が必要になるんだ。遺言執行者が指定されていない場合は、相続人全員の実印と印鑑証明となるね。
遺言書がない場合は、相続人全員で遺産分割協議を行って、遺産分割協議書を作成することが必要となるんだ。遺言書がある場合と異なり、亡くなった方の出生から死亡まで連続した戸籍謄本と住民票の除票、相続人全員の戸籍謄本、相続される方の住民票、相続人全員の実印と印鑑証明書等が必要だね。
相続登記において必要となる被相続人の戸籍謄本
法定相続情報証明制度を利用することも可能だよ。その場合、法定相続情報一覧図の写しを提出することで、亡くなった方の出生から死亡まで連続した戸籍謄本、相続人の戸籍謄本の添付に代えることができるよ。
法定相続情報証明制度を利用するときであっても、一度は出生までさかのぼって戸籍謄本を取得しなければいけませんよね。手続きに時間がかかりそうですね。
戸籍謄本の取得は、とても時間のかかる作業だね。専門的知識がなければ取得が困難な場合もあるよ。亡くなった方の離婚、養子縁組、本籍地の移動が多いと、取得する戸籍謄本の数は多くなる。「改正原戸籍」や「除籍謄本」を取得することもあるね。
遠方の市区町村役場であれば、郵送で申請したほうがいいね。各市区町村が定める様式の交付申請書に必要事項を記載して印鑑を押印し、申請する人の戸籍謄本、本人確認書類のコピー、手数料を支払うための定額小為替、切手を貼った返信用封筒を送ることが必要になるね。
亡くなった方の出生から死亡まで連続した戸籍謄本が必要となるけれど、それが何枚あるか、市区町村役場で調べなければわからないんだ。つまり、申請する段階では、発行してもらう戸籍謄本の種類も数もわからない。手数料がいくらになるかもわからないんだ。
それならば、手数料を支払うための定額小為替はいくら買えばいいのですか?
定額小為替は、少し多めに、5通分くらいの金額を買えばいいよ。不足する場合は不足分を追加で郵送しなければいけないから面倒なんだよね。余った分は返してもらえるから心配する必要はないんだ。
法務局での相続登記の申請
わかりました。必要書類がすべて揃ったときは、法務局に提出すればいいのでしょうか?
そうだね。法務局の窓口へ行って申請すればいい。忙しいのであれば、郵送やインターネットでも申請できる。ただし、書類に不備があったときの修正が厄介なので、窓口に行って確認してもらったほうが早いだろうね。
提出後に原本返却を依頼すると、遺言書、遺産分割協議書、戸籍謄本、住民票、印鑑証明書は返却してもらえるよ。
不動産を管轄している法務局で相続申請すると、2週間ほどで相続登記は完了するんだ。登記完了予定日に法務局へ行くと、「登記識別情報通知」を受け取ることができる。これは、権利証、登記済証に代えて発行される書類なんだ。重要な書類だから、大切に保管しておかなければいけない。申請の際に切手を貼った返信用封筒を渡しておけば、郵送してもらうことも可能だけれどね。
いやー、とてもタイヘンそうですね。私でも相続登記の手続きは可能でしょうか?
そうだね、、難しいかもしれないね。多少費用はかかっても、司法書士に任せた方がいいよ。
わかりました。そうします。今日はありがとうございました。
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