病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて受け取ることができる年金があります。
それが障害年金です。
今回は、障害基礎年金と障害厚生年金について学習しましょう。
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障害給付の全体像

障害給付とは、病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて受け取ることができる年金です。
国民年金から障害基礎年金、厚生年金保険から障害厚生年金が支給されます。またそれぞれに、下記のような制度があります。
障害給付の制度まとめ
- 障害基礎年金
- 子の加算
- 障害厚生年金
- 配偶者の加算
- 障害手当金の支給
障害基礎年金の仕組み
障害基礎年金の受給要件
障害基礎年金は、次の場合に支給されます。
- 初診日において国民年金の被保険者
- または60歳以上65歳未満で過去に被保険者だった
- 障害等級の1級または2級の障害がある
- 保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が、被保険者期間の3分の2以上
ただし、初診日が令和8年4月1日より以前で、初診日に65歳未満であった場合には、初診日の前々月まで直近1年間に保険料の滞納がないときには、要件を満たしていることとされています。
また、初診日において20歳未満であった人でも、20歳に達して、障害等級1級または2級にあるときは、障害基礎年金が支給されます。
障害基礎年金の年金額
障害基礎年金の年金額は等級により異なります。
2級の場合は老齢基礎年金の満額と同じ額ですが、1級の場合は老齢基礎年金の満額の1.25倍になります。
『子の加算』の仕組みとは?
- 年金法上の子ども(18歳未満の子ども)
- または、20歳未満で障害のある子ども
がいる場合には、2人目まで1人につき224,500円、3人目以降は1人につき74,800円が加算されます。
障害厚生年金の仕組み
障害厚生年金の受給要件
障害厚生年金は、次の場合に支給されます。
- 初診日において厚生年金保険の被保険者である
- 障害認定日において、障害等級1級、2級または3級の障害がある
- 障害基礎年金と同じく保険料納付要件を満たしている
障害認定日に、1級から3級の障害にある場合は、障害厚生年金が支給されます。
1級または 2級の障害にある場合は、障害基礎年金も支給されますが、3級の障害の場合は、障害厚生年金のみが支給されます。
また、厚生年金の被保険者期間中にケガや病気が5年以内に治った後、3級よりも軽い障害が残ってしまった場合には、「障害手当金」、約117万円が支給されます。
障害厚生年金の年金額
障害厚生年金の年金額は等級により異なります。
また、障害等級1級と2級の人には、65歳未満の生計維持関係にある配偶者に対する加給年金、約22万円が支給されます。
障害等級1級の人は、報酬比例の厚生年金額×1.25倍に配偶者加給年金額を加算した金額です。
障害等級2級の人は、報酬比例の厚生年金額に配偶者加給年金額を加算した金額です。
障害等級3級の人は、報酬比例の厚生年金額だけです。配偶者加給年金額はありませんが、約58万円の最低保証額があります。
なお、報酬比例の厚生年金保険の被保険者月数が300月に満たないときには300月として計算することとなっています。
なお、障害基礎年金の受給者は、障害基礎年金と障害厚生年金の両方を受給することができますが、障害厚生年金に代えて、老齢厚生年金または遺族厚生年金を受給することを選択することも可能です。
まとめ
今回は、障害年金について学習しました。
障害の程度に応じた年金額だけでなく、障害基礎年金における子どもの加算額、障害厚生年金における配偶者の加算額について、覚えておきましょう。
以上
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