【FP3級対策】雇用保険②再就職を支援!3種類の給付金を解説

雇用保険の失業等給付には、求職者の収入を保障するだけでなく、再就職を促進するための制度があります。

そこで、今回は、就職促進給付、教育訓練給付および雇用継続給付について学習しましょう。

目次

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①就職促進給付~早期に再就職を達成した場合の一時金~

就職促進給付とは、失業者が再就職するのを促進するために、失業者が早期に再就職した場合に、一時金が支給される制度です。

再就職のインセンティブと言えるでしょう。

一般的に、就職促進給付は「就業促進手当」のことを意味しますが、これには、就業手当、再就職手当、就業促進定着手当、常用就職支度手当の4種類があります。

ここでは再就職手当を理解しておきましょう。

再就職手当の制度内容について

再就職手当は、求職者給付における基本手当の残り日数によって支給額が決められています。

すなわち、所定給付日数の3分の2以上を残して再就職した場合は、残日数に対して、基本手当日額の70%が一括して手当として支給されます。

そして、所定給付日数の3分の1以上を残して再就職した場合は、残日数に対して、基本手当日額の60%が一括して手当として支給されます。

所定給付日数の残り

下記のように、残りが多いほど一時金の支給率が高くなります。

所定給付日数の1/3以上所定給付日数2/3以上
支給率60%支給率70%

支給される金額の計算

支給額 = 残日数 ✕ 支給率 ✕ 基本手当日額

再就職手当の計算例

支給日数150日、基本手当日額が5000円、30日で就職活動が終了した場合は、下記の計算で42万円が支給されます。

残日数120日 ✕ 支給率70% ✕ 5000円 = 42万円

②雇用継続給付~高齢・育児・介護への保障~

雇用継続給付は、被保険者の雇用を継続することが困難となりそうな場合に支給されるものです。

これには、高年齢雇用継続給付金、育児休業給付金、介護休業給付金の3種類があります。

ⅰ)高年齢雇用継続給付金

高年齢雇用継続給付とは、高齢者の雇用が継続できるようにするため支給されるものです。

高年齢雇用継続基本給付金と高年齢再就職給付金の2種類があります。

高年齢雇用継続基本給付金は、60歳以降も働き続ける高齢者が現役時代と比べて賃金が大きく低下してしまわないようにするための制度となります。

給料の低下分の一部を補てんすることで、高齢者の働く意欲を維持し、65歳までの雇用を促進しようとするものです。

支給対象となるのは、60歳以上65歳未満の被保険者で、被保険者期間が5年以上ある人です。

高年齢雇用継続給付金の支給期間は、被保険者が60歳に達した日の属する月から65歳に達する月までが限度です。

一方、高年齢再就職給付金は、雇用保険の基本手当の受給後、その受給日数を100日以上残して再就職した人に支給されます。

これは、1か月あたりの賃金額が、60歳時点の75%未満に低下した場合に支給されます。

高年齢再就職給付金の計算

  • 賃金額が61%以下に低下した場合
    →その月の賃金額の15%に相当する額が支給
  • 61%超75%未満の低下の場合
    →その月の賃金額に15%未満の一定の支給率を乗じた額が支給

高年齢再就職給付金の支給期間は、雇用保険の基本手当の支給残日数に応じて、再就職日の翌日から1年または2年を経過した日の属する月までとなり、65歳に達した月までが限度とされます。

ⅱ)育児休業給付金

育児休業給付金とは、育児休業を取得しやすくするために給付されます。

育児のため会社を休み、給料が減額されたときに、休んでいる間の収入を保障するための制度です。

支給対象となるのは、満1歳未満の子を養育するための育児休業を取得した場合です。

育児休業給付金の支給を受けるためには、育児休業の開始日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上なければなりません。

支給額は、休業期間中に賃金が支払われなかった場合の支給額は、休業開始後6か月までは賃金月額に対して67%、6か月経過後は賃金月額に対して50%となります。

支給期間は、原則として、子が1歳に達する前日までです。

ただし、保育所がみつからない場合は満1歳6か月まで延長され、それでもなお保育所がみつからない場合は満2歳まで延長されます。

ⅲ)介護休業給付金

介護休業給付金とは、介護休業を取得しやすくするために給付されるものです。

家族の介護をするために会社等を休んだため給料が減額されたときに、休んでいる間の収入が保障されます。

介護休業給付金の支給を受けるためには、介護休業を開始した日前2年間に、被保険者期間か12か月以上なければなりません。

支給額は、休業期間中に給料が支払われなかった場合、賃金月額の67%です。

支給期間は、家族1人につき、介護休業開始日から最長93日間です。

なお、複数回、介護休業を取得する場合には、3回を上限として通算93日に達するまで支給を受けることができます。

③教育訓練給付~労働者の職業訓練を補助~

教育訓練給付金とは、労働者の能力開発を目的として、職業訓練の費用の一定割合を支給する制度です。

これには、一般教育訓練給付金と専門実践教育訓練給付金があります。

ⅰ)一般教育訓練給付金

一般教育訓練給付金とは、厚生労働大臣が指定する一般教育訓練を受講して修了した場合に支給されるものです。

支給額は、受講料の20%で、上限は10万円です。

給付を受けるには、受講開始日において、被保険者期間が、初めての場合は1年以上、それ以降は3年以上あることが条件となります。

ⅱ)専門実践教育訓練給付金

一方、専門実践教育訓練給付金とは、厚生労働大臣が指定する専門実践教育訓練を受講している間と、それを修了した場合に支給されるものです。

支給額は、受講料の50%で、上限は1年間で40万円、最長3年間で120万円です。

給付を受けるには、受講開始日において、被保険者期間が、初めての場合は2年以上、それ以降は3年以上あることが条件となります。

これに加えて、専門実践教育訓練を受けてから資格を取得し、受講修了日から1年以内に就職した場合は、受講料の20%が追加支給されます。

まとめ

今回は、雇用保険について学習しました。

再就職を支援するための制度として、雇用継続給付金と教育訓練給付金の2種類がありました。

定年退職に近づいた方には、高年齢雇用継続給付金の活用を考えてみるようにしましょう。

以上

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