【FP3級対策】老後生活を安心に!公的な介護保険について徹底解説

近年の高齢化や核家族化の進展にともなって、いわゆる「老老介護」など、高齢者の介護が問題となっています。

今回は、高齢化社会において重要な公的介護保険について学習しましょう。

目次

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公的介護保険の仕組み

介護を必要とする高齢者を国民全体で支える仕組みとして、介護保険制度が実施されてます。

介護保険は、加齢による病気によって介護が必要になった人が、自立した日常生活を営むことができるよう、介護の必要度合いに応じて、医療サービスや福祉サービスなどが給付される制度です。

介護保険の仕組みまとめ

  • 保険者は市区町村
  • 事業者との「サービス利用規約」が必要
  • 自己負担は原則1割(収入額によって2~3割)
  • 受給には市区町村による「要介護の認定」が必要

介護保険の被保険者の仕組み

公的介護保険の被保険者は、第1号被保険者と第2号被保険者に分かれます。

第1号被保険者は、65歳以上の人であり、被保険者証が交付されます。

給付対象のサービスを受けるときには、被保険者証を提示しなければなりません。

第2号被保険者は、40歳以上65歳未満の医療保険加入者です。

介護保険の被保険者

内容\分類第1号第2号
対象者65歳以上40歳以上
65歳未満
給付の対象要介護
要支援
老化による
特定疾患のみ
(下記)
  • 特定疾患とは、末期がん・認知症・脳梗塞などのことを指します
  • ケガなど老化と関係ない場合は対象外となります

介護保険における保険事故の認定について

介護保険の保険事故とは、要介護状態または要支援状態になることですが、市区町村がこれを認定します。

ただし、40歳以上65歳未満の第2号被保険者は、加齢に伴って生ずる特定疾病が原因となっているものに対象が限定されています。

この特定疾病とは、たとえば、回復見込みのないがん、関節リウマチ、初老期認知症、脳血管疾患などです。

介護保険の保険給付には、介護給付、予防給付、市町村特別給付の3種類があります。

介護給付には、居宅サービス、施設サービスおよび地域密着型サービスの3つがあります。

一方、予防給付とは、要支援状態における保険給付であり、介護予防サービス、地域密着型介護予防サービスの2つがあります。

介護保険を受給するためには、市区町村による認定を受けなければなりません。

すなわち、介護給付を受ける「要介護認定」、または予防給付を受ける「要支援認定」が行われます。

この際、要介護や要支援の程度について、要介護1から要介護5という区分、要支援1または要支援2という区分が認定されます。

この区分によって、居宅サービスの場合の支給限度額、施設サービスの場合の保険給付の額が決められます。

なお、介護保険と医療保険とで給付が重なる場合は、介護保険の給付が優先し、原則として医療保険からの給付は行われません。

介護サービスの内容と給付される金額について

要介護・要支援の認定を受ければ、居宅サービス、施設サービスなど、介護給付を受けることができるようになりますが、利用者はこれらのサービスを自分で選択することになります。

この際、ケアマネージャーによって介護サービス計画、すなわち「ケアプラン」が無料で作成されます。

そして、利用者が介護給付を受けると、その費用の一定割合を自己負担しなければなりません。

自己負担割合は、原則1割です。

ただし、年間の年金収入等が280万円以上の単身者は2割、年金収入等が340万円以上の単身者は3割の自己負担となっています。

ただし、要介護の程度に応じた支給限度額が定められていますので、その限度額を超えて利用した分については、全額が自己負担となります。

また、施設サービスの食費や居住費は、原則として自己負担です。

  • 利用者がサービスを選択し、費用の一定割合が支給される
  • 自己負担額は原則1割
  • 収入の金額によって負担額は増加(最大3割)
  • 要介護の程度によって支給金額に上限あり
  • 食費や居住費は原則として自己負担になる
  • ケアマネージャーと相談してケアプランを作成しましょう(無料)

介護保険の保険料について

第1号被保険者である65歳以上の人の保険料は、市区町村ごとに、所得段階に応じて決められます。

第1号被保険者に係る保険料は、原則として、日本年金機構などが公的年金を支払う際に天引きされます。

ただし、年金額が年額18万円未満の者は普通徴収となるため、口座振替などによって市区町村に直接保険料を納付します。

第2号被保険者については、介護保険の保険料は、医療保険の保険料と一括して徴収されます。

健康保険の第2号被保険者の介護保険料は、原則として労使折半となります。

高額介護サービス費

同一世帯において、介護保険を利用して支払った金額が高額になった場合の救済措置として、高額介護サービス費の制度があります。

1ヶ月の自己負担額の合計が定められた金額を超えた場合、超過した金額が支給されます。

居宅介護住宅改修費

要介護者が自宅で生活するために、手すりの取付け、段差の解消などの住宅改修を行った場合、申請によって、改修費用の原則9割が、居宅介護住宅改修費として支給されます。

まとめ

今回は、公的介護保険について学習しました。

介護が必要になったときでも、わが国には手厚い介護サービスが給付される制度があるため安心です。

民間の介護保険で不足を補うことが不可欠になるのはないかと心配する必要はありません。

以上

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