【高校生/家庭科】アメリカ人の老後資金蓄えは日本人の3倍多いワケ【第5話】

アメリカ人の資産形成について解説します。

資産形成とリスクに対する考え方の違いによって、老後の蓄えには大きな差ができてしまいます。

視野を広く投資できるように学びましょう。

目次

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【前回の復習】株式への分散投資でリスク/リターンのバランスを取ろう

高校生

岸田先生から、資産形成のためには、株式に分散投資することが必要だと教えられました。
今日は5回目の講義を受講します。

前回の話を読んでいない人はコチラ

投資信託で多くの株式に分散できる仕組みとは?

高校生

岸田先生!
たくさんの株式へ分散投資するというのは、実際にどうやればよいのでしょうか?

岸田先生

それは「投資信託」へ投資することだ。
投資信託というのは、多くの人のお金を専門家がまとめて運用して、その運用の成果を分配する金融商品だね。

高校生

「運用」ってどういう意味ですか?

岸田先生

「運用」というのは、利益を得るために、金融商品を選んで、長期間にわたって投資を続けることだ。

投資信託の場合、株式や債券、不動産など複数の種類の金融商品を組み合わせて運用する。
同じ種類の中でも分散させていて、1つの投資信託で、何百社という数多くの企業に投資していることが多いよ。

投資先を増やしてリスク/リターンをコントロール!

高校生

えーっ、それはすごいですね!
でも、何百社という株式に投資すると、どうしてリスクが低くなるのですか?

岸田先生

リスクというのは、価格の変動の大きさだということは理解できたよね。
そして、私たちはみんな価格の変動が大嫌いなんだよね。

そこで、投資の世界には、「1つのカゴに卵を盛るな」という格言があるんだ。
お金を1つの資産に集中しないで、複数の種類に分散して投資すれば、リスクが分散され、リターンの安定度が増す効果があるんだよ。

岸田先生

投資信託は、少ない金額から買うことができるし、専門家に任せて分散投資することができる、素晴らしい金融商品なんだ。

高校生

それでは、どれくらいの金額を投資信託で運用すればいいのでしょうか?

岸田先生

いや、それは、将来いくらの金額まで自分のお金を増やしたいかによるね。
資産形成のゴールだよ。

老後資金には2千万円が必要だと言われるけれど、銀行預金だけで2千万円のゴールに到達できないのであれば、ある程度のリスクは覚悟して、投資信託で運用する必要があるね。

【2倍の差!】運用方法による資産形成スピードの違い

高校生

でも、うちの父は銀行預金が100%だと言ってました。

岸田先生

それが一般的な日本人の運用のやり方だね。

アメリカ人は、個人資産の5割くらいを株式や投資信託で運用しているけど、日本人は、2割弱しか運用していないんだ。
ほとんど銀行預金で持ち続けているね。

高校生

えーっ!?そんなに違うんですか!?

岸田先生

その結果、アメリカ人は、金融資産が2.7倍に増えたけど、日本人の金融資産は1.4倍くらいにしか増えていない。
アメリカ人の老後の生活はラクになったけど、日本人の老後の生活は、相変わらず苦しいんだよ。

高校生

どうしてこんなに大きな違いが出たのですか?

岸田先生

アメリカ人は「株式投資は儲かるもの」という意識が強いけど、日本人は「株式投資は儲からないもの」という意識があるからだと思うね。

株式の価格のことを株価っていうんだけど、アメリカ企業の株価は、ここ30年間で約12倍になっている。
だけど日本企業の株価は、ほとんど上がっていないんだ。

投資で日本が伸び悩んだ理由3選

高校生

えーっ!?日本はどうして負けているですか?

岸田先生

理由は3つあるね。
それぞれ見ていこうか。

①人口減少で日本内での需要や働き手が減っている

岸田先生

一つは、国家の成長性だ。

アメリカの人口は、ここ30年間で約1.4倍に増えたけど、日本人口は、ほとんど増えていないんだ。
働く人や買い物する人がいないとすれば、企業はお金を稼ぐことができないよね。

高校生

少子高齢化社会ですからね。

②アメリカは株価を上げて利益を稼ぐ意識が日本よりも強い

岸田先生

もう一つは、経営者のやる気だ。

アメリカ企業の経営者は、たくさん利益を稼いで、株価を上げようと努力する。
だけど日本企業の経営者は、そういう気持ちがあまりないんだよ。

高校生

えーっ、やる気の違いですかー!?

岸田先生

そうだね。
株主から預かったお金を使って、どれだけ稼ぐことができたか、これをROEという数値で測定することができるんだけどね。

ROEで比較すると、アメリカ企業のほうが、日本企業よりも2倍くらいお金を稼いでいるんだよ。

高校生

それは残念ですねー。

③失敗や新しい技術に対する考え方に違いがある

岸田先生

3つ目は、チャレンジ精神だ。

アメリカでは、成功を目指して大胆に挑戦する経営者が多い。
だからGAFAのように最先端のテクノロジーを活用して、大きくお金を稼ぐ企業が出てくるんだよね。
しかし日本では、失敗をおそれて何もしない経営者も多いから、GAFAのように急成長する企業は出てこないんだ。

高校生

そうなんですかー。
もっと頑張って欲しいですねー。

岸田先生

そうだね、今後、日本企業がアメリカ企業のようになることを期待するしかないね。

まずは能力を高めて自分で稼げる人材になろう

高校生

岸田先生、投資信託が一番いいということはわかりました。
でも、私たちにお金がありません。
どうすればいいのでしょうか?

岸田先生

それは「しっかりと勉強する」ことだ。

教育も投資だという話をしたのは覚えているよね?
勉強して自分の知識を増やし、能力を高めておくと、社会人になってから、たくさんお金を稼げるようになる。

そうやって自分で稼いだお金の一部で、投資を行うんだ。
投資信託を毎月コツコツと引退するまでずっと買い続けることで、必ず大きな資産を形成することができるよ。

その金額は銀行預金したときの2倍から3倍になるだろうね。
「長期・積み立て・分散投資」が資産形成の秘訣だと覚えておけばいい。

高校生

「長期・積み立て・分散投資」ですね!

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